2022年04月12日
住化とパイロット、プラ「水平リサイクル」開発へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:住友化学

 住友化学は12日、パイロットコーポレーション(東京都中央区、伊藤秀社長)と共同で、使用済みのプラスチック製品を同じ用途の製品に作り替える「水平リサイクル」実現のため、プラスチック容器包装の印刷層を無色化する技術を共同開発すると発表した。

 プラスチックは、自動車や航空機、電子機器容器包装などさまざまな用途に用いられており、循環型社会の実現に向けて、用途に応じたリサイクル技術の開発推進が求められている。プラスチック製の容器包装の場合は、各種印刷が施されているものが多いため、マテリアルリサイクルしてもインキの色が残ってしまい、同品質レベルの樹脂への再生が難しい。

 住友化学は今回の共同開発で、これまでの樹脂設計・加工技術を生かし、インキの無色化を行う溶融混練工程を中心としたマテリアルリサイクル・プロセスの開発を担う。マテリアルリサイクルや、フィルムのモノマテリアル化などにも注力する。

 また、パイロットはインキ技術を生かして、リサイクルプロセスに適した特殊インキの開発を受け持つ。両社が協力することで、再資源化したプラスチックの用途展開の幅を広げ、限りある資源の循環を目指す。両社は印刷された包装材料の分別・回収スキームの構築についても検討していく方針だ。
 
<用語の解説>
◆モノマテリアル化 :リサイクル性を向上させるために、製品の原料を単一素材とすること


<ニュースリリース参照>
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1649738985.pdf