2022年04月13日
東北大、原子1個分の細さ 半導体ヘテロ接合を実現
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東北大学

 20世紀中頃に発明された半導体デバイスが真空管に取って代わったことで、電子機器の性能は飛躍的に向上した。そして21世紀初頭、半導体の回路幅は数ナノメートルにまで微細化され、いわゆる「ムーアの法則」に従って、その性能はますます向上した。

 東北大学理学研究科の脇坂聖憲助教、山下正廣名誉教授らの研究グループは12日、ハロゲン架橋金属錯体と呼ばれる一次元半導体の二種類のヘテロ接合に成功し、その構造をマクロスケールおよび原子スケールで明らかにした。
 
 ハロゲン架橋金属錯体は金属とハロゲンが交互に一直線に並ぶ、一次元電子系と呼ばれる原子1個分の細さの電子の通り道をつくる。同研究は、「ムーアの法則」の終着点である原子サイズの半導体デバイスの実現可能性を示すものとなった。

同研究成果は、3月4日付「Nature Communications」にオンライン公開された。

<用語の解説>
◆ ヘテロ接合 :性質の異なる半導体を繋ぎ合わせること。接合された状態。
◆ ムーアの法則 :ムーア博士によって提言された、集積回路に搭載される半導体デバイスの数が年々指数関数的に増大するという法則。「半導体の性能は18か月で2倍になる」という経験則で知られる。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220412_01web_%20moore.pdf