2022年04月14日
九大、普段の地盤の揺れから地震時の揺れを自動推定
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:九州大学

 九州大学大学院 人間環境学研究院の神野達夫教授と広島大学の研究グループは13日、人工知能(AI)技術(深層ニューラルネットワーク)を用いて、地盤の微動データから地震時の地盤増幅特性を自動的かつ高精度に推定る技術を世界で初めて開発したと発表した。

 普段の地盤の揺れ(微動)から、地震時の揺れやすさを自動的に推定する技術を開発した。

 ボーリング調査や長期間の地震観測をしなくても、普段の地盤の揺れを単点で計測するだけで、簡便に地盤増幅特性を得ることができる。将来の地震に対して精度の高い強震動予測が可能になると期待される。

 同論文は、米国地震学会誌「Bulletin of the Seismological Society of America (BSSA)」に採択され、4月5日に米国地震学会のライブラリにオンライン掲載された。

<用語の解説>
◆深層ニューラルネットワーク :AI技術のひとつで、深層学習とも呼ばれる。人間の神経細胞を模した多数の処理層を通して、あらかじめ与えたデータに対して順伝播と逆伝播を繰り返し学習させることで、正解となるデータを精度良く再現するモデルを表す。近年では画像認識や音声認識などの分野で広く利用されている。

ニュースリリース参照
https://www.kyushu-u.ac.jp/f/47647/22_04_08_01.pdf