2022年04月25日
三菱ケミと住化、細胞医薬品でマイオリッジと資本提携
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱ケミカル

 三菱ケミカルホールディングスグループは25日、細胞培養を中心とした製品やサービスを提供するスタートアップの マイオリッジ社(本社:京都市、牧田 直大社長)に出資したと発表した。住友化学も同日、マイオリッジとの資本業務提携を発表した。出資の細目は非公開。

 三菱ケミカルグループは、再生医療等製品、創薬、バイオ医薬品、培養食品等の細胞培養領域での課題解決に取り組んでおり、特に、ウシ胎児から採取した血清を使用する従来の手法では、供給不安定化や病原体混入のリスク、コストや動物倫理上の課題を解決するために、植物を活用した細胞増殖因子の生産について研究を行っていた。

 今回出資するマイオリッジ社は、京都大学発スタートアップで、新規低分子化合物を用いることで、高価なタンパク質を使わず浮遊培養で多能性細胞を心筋細胞へ分化誘導できる独自の基盤技術をもっている。
 
 同技術を活用してiPS 細胞由来心筋細胞の販売のほか、自社保有のタンパクや低分子化合物等の培地成分データベース、および独自の培地スクリーニング技術を活用した培地開発サービス、製造プロセス開発等、再生医療等製品・バイオ医薬品・培養食品を開発する企業向けに幅広い事業を展開している。

■住友化学もマイオリッジと資本業務提携

 住友化学も同日、マイオリッジと資本業務提携を発表した。両社の技術・リソースを組マイオリッジと提携み合わせることで、細胞製品の品質向上や細胞培養のコストダウンなど、再生・細胞医薬品の普及に向けた取り組みを加速させる。

 細胞製品は、再生・細胞医薬品やバイオ医薬品として高い市場成長性が見込まれるほか、医農薬の開発支援や、食糧問題の解決につながる培養食品などへの活用が期待されている。

 住友化学は、再生・細胞医薬事業を、医薬品や農薬の開発で培ってきた技術を生かせる有望分野と位置づけてきた。子会社の住友ファーマとも製法開発・製造などの受託(CDMO)事業会社「S-RACMO 株式会社」を設立し、今年2月には新設した施設が稼働開始した。マイオリッジと提携することで、グループの再生・細胞医薬分野事業の一層の拡大を図っていく方針だ。

【マイオリッジの概要】
▽設立  : 2016 年 8 月
▽所在地 : 京都市左京区吉田下阿達町 46-29 医薬系総合研究棟 305 号室
▽代表者 : 代表取締役社長 牧田 直大
▽事業内容: 細胞製品・培地の販売、培地開発支援サービスその他
▽URL : https://myoridge.co.jp/

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1650852668.pdf