2022年05月09日
東大、NMNの効果/高齢男性の運動機能改善
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

 東京大学医学部の五十嵐正樹助教(糖尿病・代謝内科)らの研究グループは6日、抗老化作用が期待されている
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の効果について調査したと発表した。

 健常な高齢男性を対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)の前駆体であるNMNを経口摂取した場合に、筋力低下を始めとした老化現象に与える影響について無作為化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を行った。NMNは「次世代の成分」として世界的にも注目され、研究が進められている。
 
 その結果、健常な高齢男性に1日あたり250 mgのNMNを12週間経口摂取すると、NAD+および関連代謝物の血中濃度が上昇し、歩行速度、握力などの運動機能が改善することが明らかとなった。さらに、NMNの経口摂取により、聴力の改善傾向がみられることも分かった。
 
 超高齢化社会の到来が予測される日本では、サルコペニアの予防が大きな課題とされている。今回の研究結果から、NMNの経口摂取によるサルコペニアの予防効果が期待され、今後、健康寿命の延伸へ寄与するものと考えられる。本研究成果は5月1日に英国科学誌「NPJ Aging」オンライン版に掲載された。

ニュースリリース
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2022/05/06/release_20220501_1.pdf