2022年05月13日 |
東北大、微量な一酸化炭素濃度の測定センサを開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
ヒトの呼気に含まれる微量な一酸化炭素は、肺機能の状態のバロメーターとなる重要なガス成分の一つ。しかし、医療現場では、呼気中の一酸化炭素濃度を測る検査には、現状10分程度の時間を要するため、肺疾患の検査・早期診断の実現には課題があった。 東北大学電気通信研究所の但木大介助教らの研究チームは12日、酸化チタンナノチューブのナノ微細構造を検出媒体とする半導体式ガスセンサを開発したと発表した。 得られたガス検知特性について機械学習を用いて多成分分析を行った結果、混合ガス中に含まれる微量な一酸化炭素の濃度を高精度で予測することに成功した。本方法の適用により、検査時間を従来の1/10以下にまで短縮できると見込まれ、今後、肺疾患の検査・早期診断への応用研究が加速すると期待できる。 本成果は6月15日付「センサーズ・アンド・アクチュエーターズB」に掲載される。 なお、本研究は、JST A-STEPの助成を受けて行われた。 <用語の解説> ◆酸化チタンナノチューブ: 酸化チタンを材質とする太さ数 10 ナノメートル(1 ナノメートルは 1 mm の 100 万分の1)の筒(チューブ)状の微細構造であり、膜上面からはハチの巣状に見える。陽極酸化と呼ばれる電気化学的手法で作製される。筒内部の側壁の存在により、ガスセンサとしてのガス検知に係わる表面積を大幅に増やすことができる。 ニュースリリース参照 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220512_01web_gas.pdf |