2022年05月17日
東北大、心不全とがん・心房細動の関連を解明
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学大学院 医学系研究科の安田聡教授、後岡高太広准教授らの研究グループは17日、同大学の第二次東北慢性心不全登録研究に登録された患者データの解析により、「心不全」「がん」「心房細胞」の3者が合併した場合の予後への影響について、以下の重要な知見を得たと発表した。

(1)がん既往歴のある心不全症例が心房細動を合併した場合、脳卒中・全身塞栓症・出血リスクが高い
(2)がん既往歴があり心房細動を合併した心不全症例の約4割が、塞栓症への適切な抗凝固(血栓予防)療法を受けていない可能性がある。

 心不全・心房細動・がんは、生活習慣や炎症を背景とした共通の危険因子を持つ。今回の研究成果は、心不全症例における、がんと心房細動の関わりについての医学的な意義を世界で初めて明らかにしたものとなった。今後の新たな治療戦略につながることが期待される。

同研究成果は4月17日、欧州心臓病学会の学会誌「ESC Heart Failure」誌にオンライン掲載された。

ニュースリリース
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220517_02web_cancer.pdf