2022年05月31日 |
積水化、フッ素樹脂も接着できる粘着テープ開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:積水化学工業 |
積水化学 高機能プラスチックスカンパニーは31日、バイオミメティクスを活用した独自の接着化合物の設計と合成に成功し、一般的に接着が難しいといわれるフッ素樹脂も接着できる粘着テープを開発したと発表した。フッ素樹脂に限らず幅広い接着機能を有している。23年度の上市に向けて用途展開と市場開拓を急ぐ。 このところ、通信インフラをはじめ多くの分野でフッ素樹脂の利用が進んでいる。特に通信インフラの分野では利用が活発だ。だが、フッ素系材料は表面エネルギーが低く、水も油も弾くという性質から、他の材料との接合が難しいという問題があった。 積水化学はこの問題を解決するため、ムール貝の特殊な分泌物が幅広い材料に接着するという現象に着想を得て、フッ素樹脂やポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂に強く接着できる粘着テープの開発を進めてきた。 同社は、ムール貝の分泌物であるポリフェノール成分を分子構造中に組み込んだ独自の化合物が、フッ素に粘着可能であることを見出した。この技術を粘着剤に活用し、テープ化することで、例えばフッ素処理したフライパンにも接着することを可能にした。 また、従来はフッ素系樹脂表面の接着性を上げるため、プライマーと呼ばれる下塗り剤を塗布して、粘着テープを貼合していた。だが、それぞれの相性で接着が不十分になることや作業工程負荷が大きいなどのデメリットがあった。これらの課題を解決し、今回、フッ素樹脂にも強固に接着可能な粘着テープを開発した。 |