2022年06月01日 |
東北大、接着剤なしで炭素強化樹脂を高強度接合 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:東北大学 |
航空宇宙産業では、生産規模の適性からアディティブマニュファクチャリング(AM)に注目が高い。とくに、構造部材を軽量化しAMの付加価値を高めるには、3D積層造形技術を利用した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と金属とのマルチマテリアル化が重要な課題となる。 東北大学 流体科学研究所の大林茂教授らの研究グループは、金属3Dプリンタを用いてCFRPへ効率的にせん断荷重を伝達できるような円柱状の突起を有する表面構造を造形し、これにCFRPを熱プレスして直接接合することで、現行の接着剤接合と同等以上のせん断接着強度(20.6 MPa)実現に成功した。 これにより、組み合わせるCFRPの特性等を考慮し、金属表面構造の最適化を図ることで、将来的に直接接合の実用化への展開が期待される。 同研究は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)先導研究プログラム「航空分野における現行接合以上の信頼性を達成するマルチマテリアル3D接合・最適成形技術の開発」の成果となる。2022年5月10日付学術専門誌「International Journal of Adhesion and Adhesives」に掲載された。 <用語の解説> ◆アディティブマニュファクチャリング(AM) :従来の材料を切削などで除去して部材を製造する方法に対し、材料を積層あるいは付加して製造する方法。3Dプリンタによる造形も含まれる。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220526_03web_cfrp.pdf |