2022年06月03日 |
東北大、ヒト受精卵から胎盤が発生する仕組み解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院 医学系研究科の有馬隆博教授らのグループは3日、九州大学、東京医科歯科大学と共同で、ヒト胎盤の発生や分化に必須な遺伝子を同定し、その制御機構を明らかにしたと発表した。 ヒトES細胞をTS細胞に分化転換(リプログラミング)することにより、胎盤への分化に必須な遺伝子とその調節機構について解析した。そのうち、ヒトをはじめ霊長類だけに存在し、ゲノムインプリンティングを受ける小分子RNAのクラスターであるC19MC遺伝子が、胎盤の発生や分化に極めて重要な機能を持つことを明らかにした。 研究では、ヒトES細胞(ナイーブ型とプライム型)からTS細胞への分化転換細胞を作製し、その細胞特性と遺伝子発現の変化について詳細に解析した。その結果、TS細胞への分化転換には、霊長類だけが持つC19MC遺伝子が機能することが必須であることを明らかにした。 また、ゲノム編集技術を用いて、C19MC遺伝子がエピジェネティック注7な分子機構により発現調節を受けていることを解明した。本研究の成果は、ヒト受精卵や胎盤の発生メカニズムの理解に繋がるだけでなく、生殖補助医療や再生医療への応用等、多くの分野への発展が期待できる。 本成果は6月2日(米国時間6月2日)「Nature Communications」に掲載される。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220602_03web_human.pdf |