2022年06月07日 |
名大、新型コロナに対策「卓上型エアカーテン」開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:名古屋大学 |
新型コロナウイルスを不活化できる卓上型装置を開発したと6日、名古屋大学未来材料・システム研究所の内山知実教授らのグループが発表した。ノーベル物理学賞受賞の天野浩教授も研究に参加した。 カーテン形状の気流である「エアカーテン」を強力にし、ウイルス不活化機能がある深紫外線発光ダイオード(LED)を活用した医工融合技術の成果としている。医療現場や企業の受付など、さまざまな対面場所での感染防止対策に活用できるという。 エアカーテンは通常、静止空気中にノズルで空気を噴出させてつくるが、周囲の空気を巻き込んで拡散するため、かえってウイルスをまき散らす恐れがあった。研究グループは、ノズルの内部に「切断翼」とよばれる特殊な翼状部品を搭載してエアカーテンの気流の持続力を高め、気流の長さも延伸にして強力にすることに成功した。装置下部で空気を吸い込む仕組みにし、卓上型のコンパクトなサイズにした。 研究グループによると、波長280ナノメートルの深紫外線は新型コロナウイルスの不活化に有効となる。同グループはこの波長の深紫外線LEDを搭載した箱型装置を作製した。装置内にエアカーテンを導いてウイルスを不活化する仕組み。名古屋医療センターでの実験で新型コロナウイルスを検出限界まで不活化できた。 研究グループは今後、企業と共同研究し2、3年後の実用化を目指す。研究は科学技術振興機構(JST)の支援を得て行った。同成果は5月17日付米科学誌「AIP Advances」に掲載された。 ニュースリリース https://news.yahoo.co.jp/articles/850321d53b76eb0a61154614ef72f006829b723c |