2022年06月14日
広島大、デジタルオブジェクトの表面触感を数値化
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:広島大学

 広島大学大学院 先進理工系科学研究科の栗田雄一教授は14日、触感デジタルデザインを支援するツールとして、表面テクスチャのハイトマップ画像を入力すると、人が触ったときの粗さ感、凹凸感、滑り感などの触感を高精度に予測できるアルゴリズムを開発したと発表した。

 またソフトウェアのアプリクラフト(東京都渋谷区)と連携して、CAD ソフトウェアで作成したオブジェクトデータの表面テクスチャを指定すると、そのハイトマップ画像を生成できるアルゴリズムを開発した。

 これらを組み合わせることで、CAD で作成したデジタルオブジェクトデータから、物理的サンプル作成を一切はさむことなく、触感スコアを予測してユーザに表示することが可能になった。

 工業製品をデザインする際、持ちやすさや触り心地などの要素は、製品の質感や付加価値を決める重要な物理的要素となる。客観的評価指標はなくても、手触りをよさも、製品の操作性や安全性を高めるだけでなく、製品への評価や愛着を高めることにつながる。またカーボンニュートラルや SDGs に配慮した、廃棄を伴う試行錯誤を最低限に抑える触感デジタルデザインを支援する技術により、良い触感が正しく評価され、ユーザにとって安全で使いやすい製品を手に入れやすくなることが期待できる。

 同研究は科学技術振興機構(JST)の助成を得て行った。また研究成果は、第22回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会で優秀講演賞を受賞した。