2022年06月22日 |
東北大、生体深部温度を迅速に計測できる技術開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
生体の温度計測は臨床医学にとって必須であり、深部体温の迅速・正確な計測手法の開発は、長年強く求められていた。一方で、生体深部の温度モニターはカテーテルを挿入して行われることから身体的負担が大きく、計測箇所も限定されていた。 東北大学応用物理学の藤原巧教授らは21日、国立病院機構 仙台医療センターとの共同研究により、低侵襲かつ高精度な生体深部温度センシング技術を開発しその実証に成功したと発表した。 研究グループはこれまでに、生体深部温度を簡便かつ低侵襲で計測できる手法として、プローブに残光を発するジルコニア(ZrO2)を用いた生体温度センシングの新手法を提案してきた。 今回の研究では、プローブにパルス近赤外レーザーを照射することにより、温度計測時間の大幅な短縮と繰り返し計測が可能となった。また、先行研究では未解明だったZrO2の温度センシングにおける性能評価を行い、既往の温度計測用の発光物質と比較して優れたプローブ性能を有することを明らかにした。今後は生体深部の時間的・空間的温度計測が可能となり、高度先進医療や生命活動の理解に資すると期待される。 本研究成果は5月26日に英国オンライン学術雑誌「Scientific Reports」およびセラミックス分野の学術雑誌「Ceramics International」に掲載された。 <用語の解説> ◆生体深部温度 :脳や臓器などの温度であり、外の環境の影響を受けにくい。深部体温は炎症反応などにより上昇し、低体温症などの発症では下降するため、医療分野における重要なバイタルサインの一つとなる。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220621_02web_probe.pdf |