2022年06月22日
出光、多様なディスプレイに適用可能な多結晶半導体 開発
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:出光興産

 出光興産とジャパンディスプレイ(=JDI、本社:東京都港区)は21日、ウェアラブルデバイス、スマートフォン、VR、ノートPC、大型テレビ向けなど、多様なディスプレイに適用できる革新的な多結晶酸化物半導体「Poly-OS(Poly-crystalline Oxide Semiconductor)」の開発に成功したと発表した。

 Poly-OSは、出光興産が開発した多結晶酸化物半導体材料と、JDI独自のバックプレーン技術を融合させることで、第6世代量産ラインで高移動度と低オフリーク電流の両立を実現した。第8世代以上の大型ラインへの適用も可能で、ディスプレイ製造の低コスト化にも寄与する。両社は今後、同技術の世界への普及を目指す。

 出光は2006年から多結晶酸化物半導体材料IGO(Indium Gallium Oxide)の開発に取り組んできた。このIGOには、従来の酸化物半導体では実現できなかった低温ポリシリコン(LTPS)と同水準の高い移動度を有するという特長がある。さらに第8世代以上の大型ラインにもプロセス適性があり薄膜トランジスタ(TFT)を作製することができる。

 JDIは、独自のバックプレーン技術により、茂原工場(千葉県茂原市)の第6世代量産ラインで、世界で初めて多結晶酸化物半導体「Poly-OS」の実用化に成功した。

 JDIで作成したPoly-OSは、従来比4倍の電界効果移動度を達成し、22年3月30日にJDI独自技術「HMO(High Mobility Oxide)」として発表している。

両社は今後、多結晶酸化物半導体「Poly-OS」技術を幅広い業界関係者が適用できるよう普及に取り組むとともに、ディスプレイ性能の進化と同産業の発展、ディスプレイの低消費電力化による低炭素社会の実現に取り組みます。

(参照)
■ジャパンディスプレイ:2022年3月30日付ニュースリリース
https://www.j-display.com/ir/news/pdf/20220330_j_2100973_01.pdf