2022年06月23日 |
三洋化成、「硬くて曲げられる」UV硬化樹脂を開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:三洋化成 |
三洋化成工業は23日、硬質で曲げやすく、基材密着性に優れた紫外線(UV)硬化樹脂「ネオジェット FL」を開発、サンプル提供体制も整ったため、市場展開を本格化するとと発表した。 UV硬化樹脂などの高分子材料はふつう、硬いと脆くなり、柔らかいと強度が低下する性質がある。従来のUV硬化樹脂は、硬さと伸びの両立が困難だったが、近年、電子材料のフレキシブル化、スマートフォンのフォルダブル化、自動車の内装用の加飾フィルムなど、硬くて強いだけでなく、変形させても割れないなど、伸びにも強いUV硬化樹脂が求められている。 「ネオジェット FL」は、これらのニーズに応えるため、独自の界面制御技術、合成技術、配合技術を組み合わせて設計・開発した。硬くて強く、伸びが良い(強靭性の)アクリレート系のUV硬化樹脂で、同社従来品と比べて約 18倍となる、75%の伸びを示す。ポリイミドフィルム上に塗布・硬化した薄膜は、折り曲げ試験において、先端曲率半径0.5ミリで 10 万回折り曲げても剥がれや割れが生じず高い柔軟性と密着性をもつことが確認された。 「ネオジェットFL」は、ポリイミドフィルムだけでなく、ガラス・金属などさまざまな基材に対する密着性にも優れている。電子部品は長期的な信頼性が求められるため、熱や水、衝撃などの外的要因から電子部品を保護する必要があるが、「ネオジェット FL」は、使用される電子部品や回路などの保護材料としても適している。 また、低粘度で吐出安定性が高いことから、次世代のエレクトロニクス製造技術として注目されるインクジェット用途にも適用可能となる。さらに、成型加工性に優れており、繰り返し折り曲げても割れないほどしなやかで透明性も高いため、光学フィルム用途にも適している。 同社は今後、ウェラブルデバイスやフレキシブルデバイス、 IoT など次世代化が進む中で、高度なニーズを解決するソリューションとして、「ネオジェット」シリーズのさらなる充実をはかってく方針だ。 ニュースリリース https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1655950191.pdf |