2022年06月28日

大日印刷、5G帯域電波吸収の薄型シート開発

【カテゴリー】：新製品/新技術 【関連企業・団体】：大日本印刷

大日本印刷は28日、第5世代移動通信システム（5G）の周波数帯であるミリ波帯（28GHz帯）やSub6帯（3.7GHz帯、4.5GHz帯）で、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収し、漏洩や干渉を防止する薄型・軽量の「電波吸収シート」を開発したと発表した。同社独自のEB（電子線:Electron Beam）コーティング技術の活用により屋外利用も可能な高い耐候性を有している。また、環境・景観等に合わせて意匠を施すことも可能だ。 5Gの普及によって超高速・超低遅延・多数同時接続の通信が期待されるなか、電波同士の干渉や、通信エリアからの電波の漏洩を抑えるため特定の周波数の電波のみを選択的に吸収したいというニーズが高まっている。 こうした電波の干渉や漏洩の防止に用いられる電波吸収シートは、重量やサイズ等の制約により設置箇所が限られてしまうという課題があった。また周囲の景観に調和可能な意匠性も求めらいていた。 これらの課題解決に向けて同社は今回、5G周波数帯であるミリ波帯とSub6帯で、特定の周波数の電波のみを選択的に吸収する「電波吸収シート」を開発した。材料や設計の工夫により、従来品と比べて大幅な薄型化・軽量化を達成するとともに、DNP独自のEBコーティング技術を活用することによって、屋外でも利用可能な耐候性や耐傷性を達成した。意匠を施すことにより、特に屋内で求められる高い環境調和性を有している。今後実証実験を進め、2023年までに製品化を目指す。