2022年07月06日
UBE、米国でDMC、EMCプラント建設へ 基本設計開始
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:UBE

 米国でリチウムイオン電池の電解液などに用いられるジメチルカーボネート( DMC)及びエチルメチルカーボネート( EMC)の事業化を検討しているUBEは6日、建設予定地をルイジアナ州として、基本設計(FEED)に着手すると発表した。生産能力は DMC 年産 10 万トン、 DMC から誘導される EMC同 4 万トンで、2023 年度上期に最終投資決定し、2025 年度下期に稼働開始の予定だ。

 DMC・EMC はリチウムイオン電池の電解液溶剤の主要成分であり、DMC は半導体製造プロセスの現像液などの用途でも使用されている。電気自動車の普及やデジタル化の進展に伴い、引き続き需要の拡大が見込まれているが、米国には DMC・EMC の生産設備がなく、UBEなどからの輸入に依存している。
 
 UBEは米国に DMC・EMC プラントを建設することで、米国市場での安定供給を実現する。将来は C1 ケミカルチェーンとして、ポリカーボネートジオール(PCD)や水系ポリウレタンディスパージョン(PUD)など、環境貢献型製品への川下展開を行うなど、事業規模の拡大を図っていく方針だ。

 DMC は同社独自開発の気相ナイトライト法で一酸化炭素(CO)から製造され、エチレンを原料とする他社製法に比べて高品質で副生物が少ないなどの特徴がある。米国工場では天然ガスを出発原料として、CO2 排出量を抑制するとともにコスト競争力のある製品を供給し、リーディングカンパニーとしての地位を固める。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1657073683.pdf