2022年07月07日 |
東大、全身性強皮症へのB細胞除去療法の有効性確認 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学医学部皮膚科の佐藤伸一教授らの研究グループは7日、全身性強皮症に対する多施設共同医師主導治験を行い、B細胞除去薬であるリツキシマブの長期(48週間)にわたる有効性と安全性を証明したと発表した。 この治験は24週間の二重盲検期と、これに続く24週間の実薬投与期で構成され、二重盲検期にプラセボが割り当てられていた方は実薬投与期ではリツキシマブが投与され、もともとリツキシマブが投与されていた方は実薬投与期においても引き続き、リツキシマブの投与が行われた。 その結果、はじめにプラセボ投与が行われた患者は、リツキシマブの投与後から皮膚硬化と肺機能の改善を認め、はじめからリツキシマブが投与されていた方は、二重盲検期で見られた改善効果が維持されていることが明らかとなった。 実薬投与期における有害事象の頻度は、はじめにプラセボを投与された群と、リツキシマブを投与された群の間に差はなく、リツキシマブの投与回数に比例して増加する有害事象も認められなかった。 はじめの24週間の二重盲検期における結果から、リツキシマブは強皮症に対する新たな治療薬として21年9月に保険適用となったが、その後24週間の実投与期を含めたおよそ1年間にわたる今回の研究は、治験として最も長期間、強皮症に対するリツキシマブの有効性と安全性が検討されたことになる。 同治験の結果は6月29日付の英国誌「The Lancet Rheumatology」誌オンライン版に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2022/06/29/release_20220629.pdf |