2022年07月07日 |
広島大、ゲノム編集のための昆虫遺伝子機能開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:広島大学 |
広島大学大学院 統合生命科学研究科の坊農秀雅特任教授らの研究グループは7日、昆虫の遺伝子機能アノテーションのワークフロー「Fanflow 4Insects」を開発したと発表した。 食品ロスからコオロギなどを育て新たなタンパク質を生み出す昆虫食が昨今話題になるなど、世界的な食糧難や有用物質生産のためのプラットフォームとして、昆虫が注目されている。だが、昆虫の持つ遺伝子の機能については、未知の分野が多く、今後の研究が待たれている。 昆虫遺伝子研究を加速するため、研究グループは 2010 年ごろからカイコガの研究のためにその機能アノテーションパイプラインを構築し、全ての遺伝子に対してその機能を予測してアノテーションする技術を開発してきた。 今回、カイコガ以外の多くの昆虫種でも利用可能となるよう、タンパク質をコードした遺伝子だけでなく、 非コード遺伝子も対象とし、その遺伝子発現情報も機能アノテーションに利用する方法を取り込むことによって、昆虫に特化した機能アノテーションワークフローとして「Fanflow 4Insects」を開発した。 今回開発した機能アノテーションワークフローによって、昆虫での有用物質生産をデザインするためのゲノム編集研究が加速することが期待される。 同成果は、スイスの出版社(MDPI)の「 Insects 」誌(6月 27 日)に掲載された。 <用語の解説> ◆アノテーションとは :「注釈づけ」のこと。「機能アノテーション」とは、その遺伝子がどのような機能を持つか、注釈をつけることを意味する。 ◆ワークフロー :一連のデータ解析の流れのこと。ワークフローのさまざまな箇所で利用されるツールなどをまとめたものを「パイプライン」という。 |