2022年07月08日
JST、自動運転車の安全性に数学的証明/新手法開発
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:科学技術振興機構

 自動車の自動運転を社会が受け入れるためには、安全性の保証とトレーサブルな(論理的議論を追跡できる)説明が必須となる。

 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII :喜連川 優所長)のアーキテクチャ科学研究系教授 蓮尾 一郎氏らの研究チームは7日、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業、 ERATO 蓮尾メタ数理システムデザインプロジェクト(ERATO MMSD)のもとで、自動車の自動運転システムの安全性に強い数学的保証を与える技術と、その基礎理論を開発したと発表した。

 研究では、自動運転安全性の数学的証明のための既存の方法論「RSS(責任感知型安全論)」に注目し、その応用範囲を大きく拡大し実世界へ本格展開できるよう拡張した手法「GA-RSS(goal-aware RSS)」を確立した。
 
 形式論理学の知見を用いた今回の拡張によって、非常停止などの目標達成を求める複雑な運転シナリオに対しても、安全性の数学的証明が可能になる。自動運転の社会受容・普及の加速が期待される。

 本研究成果は7月5日、「IEEE Transactions on Intelligent Vehicles」のオンライン版で公開された。

ニュースリリース参照
https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220707-3/pdf/20220707-3.pdf