2022年07月08日
三井化学とJiksak、ヒトiPS 細胞由来 神経組織開発へ
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は8日、バイオベンチャーの Jiksak Bioengineering(川崎市幸区、川田治良代表取締役)と共同で、ヒト iPS 細胞由来神経組織(Nerve Organoid)の実用化に向けた研究開発を開始したと発表した。
 
 三井化学が開発した高酸素透過培養容器(InnoCell)の技術と、Jiksak が有する Nerve Organoidの創製に係る技術を融合させ、創薬分野や再生医療分野などで今後必要とされる神経組織を、より簡便・高効率に培養するための実用化技術開発を目指す。

 三井化学は現行長期経営計画「VISION 2030」に、次世代事業領域の強化を掲げている。同社の強みである素材開発から事業化までの一気通貫体制を生かし、培養用プレート、マイクロ流路デバイスなどの試験・創薬用途、不織布材料を用いた高品質幹細胞の合成など、細胞テクノロジー領域で社会課題解決型ソリューションビジネスへの展開を促進する。

■Jiksak Bioengineering について
 NEDO のスタートアッププログラムによって生まれた、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など治療法の無い神経難病を治療可能にするための技術開発を志向する研究開発型のスタートアップ企業。培養容器の設計により細胞の成長を制御し、神経オルガノイドを作製する技術を保有し「Nerve Organoid」として展開、創薬研究機関に向けた販売や、再生医療への適用に向けた開発を行っている。

■Nerve Organoidについて
 Nerve Organoidは、ヒト iPS 細胞から作られる、体内と類似した細胞体の凝集部と軸索束(Nerve)を有する神経組織。創薬プロセスにおいて前臨床段階での動物試験に代わるより精度の高い試験への適用、さらには体
内に移植することにより神経組織を再生する再生医療での活用が期待されている。
なお、7月13日~15日 東京ビッグサイトで開催される「再生医療 EXPO」に展示、発表する。

・三井化学とJiksak、ヒトiPS細胞由来神経組織の実用化に向け共同開発へ
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1657246777.pdf

・Mitsui Chemicals, Jiksak Pursue Joint Development in Aim of Commercializing Nerve Tissue Generated…
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1657246777.pdf