2022年07月13日
三洋化成、アルミ電解コンデンサ用電解液能力増強
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三洋化成

 三洋化成工業は13日、自動車の電装化、環境対応車の拡大等によるコンデンサ需要の急激な増加に対応するため、アルミ電解コンデンサ用電解液「サンエレック」の生産能力増強を決めたと発表した。

 名古屋工場の設備改造、工程改善等を含めて、3割程度の能力増強を行う。投資金額は約4億円で、2023 年 5 月に稼働開始の予定。

 「サンエレック」は1986年の開発。電解質に独自開発したアミジン化合物を用いる。高性能、高信頼性と長寿命化を実現した。広い温度領域で高い電気伝導率を示す。高温での長期間安定性に優れ、業界標準のロングラン製品となっている。自動車の制御ユニットなど、より信頼性が求められるコンデンサにも多く採用されている。

 アルミ電解コンデンサは、加工性にも優れ、電解コンデンサの主流となっている。アルミ表面に酸化被膜を形成することで、絶縁体の役割を果たし電気を遮断する仕組みだ。酸化被膜は多孔質になっており、表面積を稼ぐことができるため、他のコンデンサに比べ 1000 倍以上の電気を蓄えることができる。
 
 同社は今回の「サンエレック」能力増強で、今後の需要増に対応した安定供給力を確保する。
 市場は引き続き成長が見込まれるため、同社はさらなる能力増強についても検討を行っていく方針だ。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1657678688.pdf