2002年03月12日
三菱化学医薬原体事業、吉富ファインケミ力ルとの事業統合境討
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学と三菱ウエルフアーマの両社は12日、三菱化学の機能化学品カンパニーが所管する医薬原体事業(API)とファインケミカル事業の一部を分社化し、三菱ウエルフアーマの子会社である吉富ファインケミカル(本社:大阪市中央区、栗山雅敏社長)と、2002年10月1日をめどに事業統合に向けた検討を開始することで合意したと発表した。

 三菱化学のAPI事集は、医薬品の中間体プロセス開発から原体受託製造まで広範囲のニーズに対応し、基礎技術力並びに改良製法を提案できる研究開発力を保有している。またファインケミカル事業は、長年培った有機合成技術を基盤として、香料原料等の各種中間体を広範なマーケットに展開している。

 一方、吉富ファインケミカルは、吉富製薬(現三菱ウエルフアーマ)の化成品事業及び医薬原体製造部門を引き継ぎ、1996年10月に独立。プラスチック添加剤や情報紙用関連薬剤、殺菌剤、医薬原体等の「スペシャリテイ・ケミカルズ」分野を得意とし、最新鋭医薬原体マルチプラントや治験薬製造設備を新設して、高度なGMP対応力、工業化技術をもっている。

 医薬品業界を取りまく環境は、いぜん厳いが、さらに薬事法の改正によって、製造承認制度が元売(販売)承認制度に変更されようとしている。三菱化学など3社は、こうした環境変化に対応し、薬事法改正後のビジネスチャンスを積極的に取り込むためにも事業統合することが必要と判断、検討を開始することで合意した。