2022年07月26日
北大、アルマイトの安全な超高速剥離法を開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学大学院工学研究院の菊地竜也准教授らの研究グループは25日、アルミニウムの不動態皮膜として知られる「アルマイト(ナノポーラスアルミナ)」を、安全かつ超高速に剥離する技術を開発したと発表した。

 アルマイトはナノサイズの小さな細孔が無数に配列したナノポーラス構造をもつことから、様々なナノテクノロジーへの応用研究が世界各国で活発に行われている。
 
 今回開発した新規のアルマイト剥離法は、エチレングリコールと塩化ナトリウムからなる安定・安全な溶液にアルマイト形成アルミニウムを浸漬させる。わずか0.5秒間電気を流すことで、アルマイトを超高速剥離することができる。
 
 剥離したアルマイトをリン酸水溶液に浸漬すると、アルマイト底部の不動態バリヤー層が優先的に溶解し、アルマイト上部から下部まで細孔が貫通した「細孔貫通膜(スルーホールメンブレン)」が作製できた。これにより、最先端ナノテクノロジーへのアルマイトの応用展開がより容易になると期待できる。
 本研究成果は7月19日に「Electrochimica Acta」誌の電子版に掲載された。

ニュースリリース
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/220725_pr.pdf