2022年07月26日
トクヤマ、再生エネ「アルカリ水電解装置」着工
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 トクヤマは26日、再生可能エネルギーを活用して水素・酸素を製造する「アルカリ水電解装置」の早期事業化を図るため、総工費約15億円をかけて、山口県柳井市の先進技術事業化センター内に電解槽を設置すると発表した。今年8月に着工し、完工は来年6月の予定。

 アルカリ水電解装置は、アルカリ溶液に電気をかけて分解し水素・酸素を製造する装置で、再生可能エネルギーの余剰電力や出力変動を吸収し、再生エネの更なる導入拡大を図ることが可能となる。

 同社は、脱炭素社会実現への取り組みの一環として県の支援を受け、常圧型アルカリ水電解装置(AWE)の開発を進めてきた。

 今回、同社が有するゼロギャップ法食塩電解技術などを用いてアルカリ水電解装置を開発した。世界最高レベルの低消費電力性能を実現した。装置には白金などの貴金属を大量使用しないため、低コストでの装置の大規模化に適している。また同じ方式の電解槽と比較して、広い通電面積を有しており、単位敷地面積あたりの水素製造量が多いなど特長も持っている。

 トクヤマは同事業を通じて、水素製造から利活用まで、エネルギーを効率的に使用することのできる水素サプライチェーンを構築し、国内外での再生エネの普及や地産地消など水素社会の実現に貢献していく方針だ。

【電解槽事業の概要】
・事業所名 : 株式会社トクヤマ 先進技術事業化センター
・所在地  : 山口県柳井市南浜二丁目2番1号
・敷地面積 : 39,000 平方メートル(先進技術事業化センター内)
・建築面積 : 約 5,400 平方メートル
・事業内容 : 電解槽の製作及び開発
・操業予定 : 2023 年 6 月頃
・従業員数 : 事業開始当初 65 名程度(うち新規雇用 35 名程度)

<用語の解説>
◆ゼロギャップ法食塩電解技術 :イオン交換膜法によるカセイソーダの製造に用いられる。膜と電極(陰極・陽極)を密着させた構造で、溶液抵抗をなくすことで消費電力の大幅な削減を図る技術。