2022年08月02日 |
東北大、iPS細胞を迅速・効率的に軟骨に誘導 新技術 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東北大学 |
東北大学大学院歯学研究科 分子・再生歯科補綴学分野の江草宏教授らの研究グループは1日、遺伝子操作と振盪浮遊培養を組み合わせることで、マウスiPS細胞から成熟度の高い軟骨様組織を迅速に作製できることを見出したと発表した。iPS細胞を迅速・効率的に軟骨に誘導する技術を開発した。 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から軟骨細胞へ誘導する方法は、これまでも数多く報告されているが、多くの培養段階を要し、長期間の培養が必要という問題があった。 研究グループは、抗生物質を加えることで容易にBMP-4遺伝子の発現を制御できるマウスiPS細胞を作製し、この細胞を振盪しながら培養することで、成熟度の高い(約4週間)軟骨様組織(塊)を得た。 この軟骨塊をラットの膝関節軟骨欠損部へ移植すると、腫瘍を形成することなく関節の軟骨と骨がほぼ元通りに再生された。今後、この技術をヒトの軟骨再生技術に応用することで、培養期間の短縮による費用削減や、効率的な再生治療が得られる可能性がある。創薬研究の発展に貢献することも期待できる。 本研究成果は7月28日「Journal of Tissue Engineering(Impact Factor: 7.940)」オンライン版に掲載された。 ニュースリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220801_03web_ips.pdf |