2022年08月26日 |
JST、アフリカ熱帯雨林の野生動物の推定指標確立 |
【カテゴリー】:環境/安全 【関連企業・団体】:科学技術振興機構 |
世界の熱帯雨林では過剰な狩猟による野生動物の減少が「ブッシュミート危機」として問題になり、生物多様性と地域住民の生活を脅かしている。住民自身による地域主体型の野生動物モニタリングの実施が有効な解決策の1つとなるが、効果的なモニタリング法を確立するためには、狩猟動物の資源量(狩猟資源バイオマス)を正確かつ簡便に推測できる指標を見つける必要があった。 京都大学 アフリカ地域研究資料センター(CAAS)の本郷 峻 特定研究員、大阪大学 情報科学研究科の大塚 亮真 特任助教、日本大学 生物資源科学部の中島 啓裕 准教授らの国際共同研究チームはカメルーン東南部の熱帯雨林でカメラトップ調査を行い、主要な狩猟資源バイオマスの推定を行った。 同推定とともに、6つの候補指標の有効性を検討した。その結果、偶蹄類の仲間であるダイカー類の種構成を用いた指標(R/B比)と、ダイカー類とげっ歯類の比を取った指標(D/R比)が、カメラトラップ調査で得られた狩猟資源バイオマスと直線的な正の相関を持ち、バイオマスの予測に有効であることが分かった。 両指標は住民による狩猟活動からも直接計算できるため、地域主体型の野生動物モニタリングにおける重要なツールとなることが期待される。 同成果は8月26日付のに英国国際学術誌「Jornal of Applied Ecology」に掲載される。 ニュースリリース参照 https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220826/pdf/20220826.pdf |