2022年09月02日 |
阪大、室温で異方性ホール効果を示す新物質発見 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:大阪大学 |
大阪大学 産業科学研究所の末永 和知 教授らの研究グループは1日、シンガポール南洋理工大学、北京大学などと国際共同研究を行い、全く新しいバナジウム系2次元(2D)/1次元(1D)ハイブリッド格子構造の合成に成功したと発表した。特殊な走査型透過電子顕微鏡を用いてその特異なハイブリッド超格子構造を解明し、この新物質が380ケルビンの高温でも予想外の面内異方性ホール効果を示すことを明らかにした。 従来の超格子は半導体超格子のように、同次元の物質同士で形成されていた。2次元物質(膜状)と1次元物質(鎖状)を組み合わせた周期的な積層構造を持つ異次元ハイブリッド超格子は実現していなかった。今回世界で初めて2次元/1次元ハイブリッド超格子を実現した。 シンガポール南洋理工大のZheng Liu教授らの研究グループは、化学気相成長法により2次元VS2薄膜と、その3倍の格子周期を持つ1次元VS鎖配列が積み重なった超格子を合成した。末永教授らのグループは独自に開発した走査型透過電子顕微鏡を用いて、この新規ハイブリッド超格子の原子構造解析と電子状態分析を行った。ホール効果の測定は、北京大学の研究グループが行った。 本研究成果は、英国科学誌「Nature」の22年9月1日(日本時間)に公開された。 ニュースリリース https://www.jst.go.jp/pr/announce/20220901/pdf/20220901.pdf |