2022年09月09日 |
京大など、がん免疫療法の効果は「糖鎖」がカギ |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学 医学研究科の井上正宏特定教授をはじめ 大阪大学 東邦大学などの研究グループは、腫瘍免疫監視機構の一翼を担う分子であるTRAILによるがん細胞死を制御する糖鎖構造を発見し、その糖鎖構造が、TRAIL受容体が関わるがん治療の効果を予測する因子となり得ることを示した。これにより、TRAIL受容体分子標的治療やがん免疫療法の治療効果を予測する手法の開発につながることが期待される。 この研究は、がん細胞表面の糖脂質に付加されるルイス糖鎖という糖鎖構造が、TRAIL誘導性細胞死を促進させることを明らかとし、ルイス糖鎖の量を測定することでがん細胞のTRAIL誘導性細胞死への感受性を予測できる可能性を示した初めての研究となる。これにより、TRAIL受容体分子標的薬、またさらにがん免疫療法の治療効果の予測とその予測に基づいた新たながん治療戦略の開発につながることが期待される。本研究成果は22年8月15日に雑誌「Oncogene」に掲載された。 ◆TRAIL : Tumor necrosis factor-related apoptosis-inducing ligand の略。 ニュースリリース https://www.kyoto-u.ac.jp/sites/default/files/2022-09/220907_inoue-80088d2f343da14f26f39771618b1fbd.pdf |