2022年09月20日
京大、iPS細胞から間葉系幹細胞の誘導方法を確立
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学の上谷大介特命助教および池谷真准教授(CiRA臨床応用研究部門)らの研究グループはこのほど、細胞治療に利用可能な方法で、iPS細胞から神経堤細胞を介して間葉系幹細胞(MSC)を作製する方法を確立したと発表した。

 MSCは成体内に存在する幹細胞であり、再生医療で移植する細胞の一つとして、さまざまな疾患等で利用が進められている。これまでにiPS細胞からMSCを誘導する方法は報告されていたが、動物由来成分を含む方法だったため、細胞移植治療に利用するには不向きだった。

 研究グループは、培地などを変更し、動物由来成分を含まない条件MSC(XF-iMSC)で、iPS細胞からMSCを高効率に分化誘導することに成功した。マウスの体内に移植すると、骨や骨格筋を再生することができる。XF-iMSCは、自身が骨に分化して骨の再生を促すだけでなく、因子を分泌することで、周囲の細胞の再生を促進していた。この結果から、XF-iMSCが再生医療に利用可能な能力を持っていると考えられる。

 同研究成果は22年9月15日(英国時間)に「npj Regenerative Medicine」で公開された。

ニュースリリース
https://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/220915-180000.html