2022年09月29日
東北大、排ガス浄化へ酸素貯蔵セラミックス低温化
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 自動車業界は電動化に加えて、欧州で策定中のEuro7など、排ガス規制強化への対応が喫緊の課題となっている。排ガス浄化触媒の高性能化と、貴金属使用量削減の鍵を握るのが酸素貯蔵セラミックスとされている。
 東北大学工学研究科の高村仁教授らは27日、セリウム・ジルコニウム系酸化物にコバルトと鉄を固溶させ、400 ℃という低い作動温度で従来の13.5倍の酸素貯蔵量を達成したと発表した。
 
 また、優れた酸素貯蔵特性を示す結晶構造を得るために、これまでは合成に1200 ℃という高温が必要だったが、その温度を800 ℃に低減させた。
 
 この酸素貯蔵セラミックスの低温作動化と高性能化は触媒中のパラジウム等の貴金属使用量削減にも貢献する。
同成果は英国王立化学会の国際学術誌「Journal of Materials Chemistry A」(9月27日付)に掲載された。

<用語の解説>
◆ Euro7 :欧州連合(EU)が2025年に施行するため策定作業を進めている自動車排ガス規制の通称。規制対象物質の追加や検査条件の厳格化等が検討されている。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20220928_04_gas.pdf