2022年10月05日
東大調査、男女の消化器外科医による手術成績は同等
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東京大学

 東京大学大学院 医学系研究科の野村幸世 准教授らの研究グループは、日本消化器外科学会による手術データベースNational Clinical Database(NCD)を利用した研究で、男女の消化器外科医が執刀した手術の短期成績を解析した結果、手術成績に差異は認められなかったと発表した。

 日本の消化器外科医における女性の割合は6%程度と少ない(2016年)ものの、このところ増加傾向にある。そこで、男女の消化器外科医による手術成績に差があるのか、女性が外科医として十分活躍できるかを調査、研究した。

 そのの結果、女性消化器外科医は全体として男性よりも医籍登録後の年数が短く、腹腔鏡手術執刀の割合も少ないものの、よりリスクの高い患者を手術していたことが分かった。また、病院の規模や患者の背景を調整して比較した合併症や死亡率の調整リスクには、男女間で有意差はなかった。つまり、女性消化器外科医の手術短期成績は男性消化器外科医と同等であるといえた。今後、女性医師がさらに消化器外科領域で活躍できる機会を提供するとともに、より多くの女性外科医を育成するための環境づくりが期待される。

ニュースリリース参照
https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2022/09/29/release_20220929.pdf