2022年10月07日
北大、野生動物に対するワクチン効果の評価法開発
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:北海道大学

 北海道大学人獣共通感染症国際共同研究所の大森亮介准教授らの研究グループは7日、野生動物におけるワクチンによる免疫効果を測定するための分析手法を開発したと発表した。

 野生動物に経口ワクチンを投与する場合、動物の個体数や移動に関するデータが十分でないため、摂取量や効果等の評価が難しい。今回は摂食歴に関するデータがない状況でも経口ワクチン散布の効果を測定できるよう、野生イノシシの検査で得られた、感染個体の割合、免疫保持個体の割合と、経口ワクチンの散布についての時系列データを利用した測定手法を開発した。
 
 同手法を用いて、日本でイノシシを対象に散布されている豚熱ワクチンの効果を推定したところ、2019年3月から2019年8月までに岐阜県内で実施された4回のワクチン散布によって免疫を獲得したイノシシは、初回のワクチン散布時に生息していたと考えられる個体数の12.1%(95%信頼区間7.8-16.5%)と推定された。
なお、今回の研究成果は22年10月6日公開の「PLOS Computational Biology」誌に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/2022/10/post-1107.html