2022年10月13日
東北大、ゴムのような弾性歪みを示す金属を開発
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 東北大学大学院 工学研究科の貝沼亮介教授(マテリアル開発)らの研究グループは13日、日本原子力研究開発機構、九州大学などとの共同研究により、バルク単結晶銅系合金で従来の実用金属より数倍も大きい弾性変形(弾性歪み>4.3%)を実現したと発表した。通常、実用バルク金属材料の弾性歪みは約1%以下であり、今回の研究成果は画期的となる。ゴムのようなバルク金属材料という。
 
 金属材料はあらゆる場面で利用され、弾性率や強度など用途に応じて適した特性が求められる。特に人工骨、歯科用材料あるいは機械に用いる高性能ばねでは、小さい力で大きく伸び縮みする弾性変形特性が求められる。
 
 さらに、本合金では、応力と歪みの関係が直線となるフックの法則が成り立たず、応力の増大に従ってヤング率が小さくなる弾性軟化現象も確認された。このような非線形で大きな弾性変形は、金属学の常識を覆すもので、高性能ばね材等への応用が期待される。
 同研究成果は22年9月27日英国科学誌「Nature Communications」 にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press20221013_01web_metal.pdf