2022年10月14日
都市ガス安定供給へ「事業法改正法案」閣議決定
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:経済産業省

 経済産業省は14日、「ガス事業法及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)法の一部を改正する法律案」が閣議決定したと発表した。法案は第210回国会に提出する予定だ。

 ガスの製造に必要な液化天然ガス(LNG)は、世界的な需要の拡大や国際情勢の変化を背景に、各国間での獲得競争が激化し、歴史的といわれる価格の高騰に直面している。先行きへの不確実性が高まる中で、ガス供給の万が一の危機に備え、需給両面から対策を講じる必要があるとした。

◆供給面の対策
 都市ガスの需給ひっ迫を避けるため、供給対策に万全を期すことが重要で、(1)LNGの調達と事業者間の融通(2)調達に対する国の支援等(3)ガス事業者による代替調達・融通の事前準備を行う。これらの対策の実施に当たり(独法)エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)によるLNG調達に新たな仕組みを導入する。ガスの安定供給の確保に支障が生じたり、そのおそれが生じた場合は経済産業大臣がJOGMECに対してLNGの調達を要請することが可能になるようにする。

◆需要面の対策
 ガスの需給がひっ迫し、需給の調整を行わなければ、ガスの供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼすおそれがあるときは、政令で定める一定の大口需要家に対して、ガスの使用の制限等を命じ、又は勧告することができることとする。
(1)経済DR(ディマンド・リスポンス)・経済インセンティブの活用・ビジネスベースでの活用について最大限の取り組みを図る(2)代替エネルギー等の活用(3)都市ガス使用の節約の要請(都市ガス需要家に自主的な節約を要請/節約メニュー等の情報や事例を提供)(4)個別の需要抑制の取り組み(5)事業継続計画(BCP)の準備、等を推進する。

(参考)
ガス事業法及びJOGMEC法の一部を改正する法律案の概要
https://www.meti.go.jp/press/2022/10/20221014005/20221014005-1.pdf