2022年10月14日
富士フィルム、新型コロナ薬「アビガン」開発中止
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:富士フイルム

 富士フイルム富山化学(本社:東京都中央区、佐藤 充宏社長)は14日、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)について、新型コロナウイルス感染症を対象とした開発の中止を決めたと発表した。

 同社は2021 年、ワクチン非接種の COVID-19 患者に対する「アビガン」の重症化抑制効果の確認を目的に、目標症例数 316 例とした国内臨床第3相試験を開始した。しかし、ワクチン接種率の向上や従来株と比べて重症化率が低いオミクロン株の流行などの環境変化を踏まえて今年3月、 84 例で被験者の組入れを終了した。

 その後、84 例で得られたデータの解析で、有意な結果が得られていないことを確認し、今後の対応を検討する中で、このほど「アビガン」の s対象とした開発を中止し、COVID-19 に係る効能・効果などを追加する製造販売承認事項一部変更承認申請の取り下げを行うことにした。

 なお、「アビガン」については、これまでも日本医師会有識者会議などから「新型コロナウイルスに有効というエビデンスがない」などと指摘され、話題を呼んでいた。

◆「アビガン錠」について
 2014 年 3 月に新型又は再興型インフルエンザウイルスを適応症として国内で製造販売承認を取得した抗インフルエンザウイルス薬。他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合に、患者への投与が検討される医薬品。

 
抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」 新型コロナウイルス感染症を対象とした開発の中止について
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1665729200.pdf

FUJIFILM Toyama Chemical discontinues development of “Avigan Tablet” anti-influenza drug as…
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1665729200.pdf