2022年10月17日 |
帝人・東急建設、水素燃料電池で実証実験開始 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:帝人 |
帝人は17日、建設工事現場の電源に水素燃料電池を活用するため、東急建設(東京都渋谷区)と共同で実証実験を行うと発表した。実験は東急建設がすすめる渋谷駅周辺の開発工事現場で来年4月から開始する。 建設工事現場では、軽油やガソリンを使用する発電機が多く用いられているが、CO2排出や騒音、振動などの問題が生じやすい。このため水素の利活用について燃料電池自動車(HV)用途を中心に検討されているが、日本ではまだ普及が十分でなく、水素ステーションの稼働も低い。 こうした中、帝人は「環境価値ソリューション」を重点領域の1つに掲げ、2021年2月から水素燃料電池の販売に注力してきた。一方、東急建設も、長期経営計画 (To zero、from zero)の中で、3つの価値(脱炭素・廃棄物ゼロ・防災・減災)提供を戦略の軸に据え、建設工事現場における水素燃料電池の活用検討を行ってきた。こうした両社の取り組みや方向性が合致し今回の実証実験の共同化合意となった。 実証実験には、帝人が英・Intelligent Energy Limited 社から導入販売する水素燃料電池を使用する。 1台あたりの重量が約10kg と軽量・コンパクトなため、携帯性に優れることや、軽油・ガソリン発電機に比べて静粛性能に優れ、廃棄物が発生しないことなどの特徴を有している。 また、水素燃料を貯蔵する圧力容器には、帝人エンジニアリングが展開する複合材料容器「ウルトレッサ」を採用する。容器は炭素繊維およびガラス繊維から成る圧力容器で、軽量性、高耐食性に優れ、自動車、消防、医療などの幅広い用途で多くの実績をもつ。 帝人は引き続き水素燃料電池普及のため、新たな用途開発に取り組んでいく方針だ。 |