2002年03月12日
宇部興産、FDA対応の「第3医薬品製造設備」起工
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:宇部興産

 宇部興産は12日、宇部ケミカル工場で、FDA(米食品医薬品局)基準によるcGMP対応の「第3医薬品製造設備」を起工した。同工場内にある第1、第2医薬品工場に隣接して建設するもので、所要資金約40億円。2003年1月中旬完成し、3月から商業生産に入る。
 
 同社は医薬品事業をコア事業の1つに位置づけ、資源を重点投入してきた。1995年7月に第1工場、98年2月に第2工場を稼動させ、消炎鎮痛剤中間体の生産増や、独自に製法開発した抗菌剤中間体の受託生産を行ってきた。
 
 最近は受託事業が20%以上の伸びをみせ、ことに抗菌剤や坑がん剤中間体はグローバル展開が見込めるようになってきた。
 
 同社は、自社の医薬と受託医薬を両輪に医薬品事業を展開しており、自社医薬は医薬品メーカーとの共同開発を中心に、受託医薬は自社技術による提案型ビジネスと、治験の初期から工業化までの一貫受注システムにより市場拡大を図ってきた。2003年度売上高は140億円、2005年度には250億円に拡大する方針だ。
 
 起工した第3設備は、6階建て延べ4,643_、受託医薬中間体3品目が製造できる汎用設備で、反応槽6基、ろ過機3基、遠心分離機2基などを設置する。