2022年10月28日
デンカ、米EPAがクロロプレン毒性評価を再度却下
【カテゴリー】:環境/安全
【関連企業・団体】:デンカ

 デンカは28日、米国子会社のデンカ・パフォーマンス・エラストマー社(DPE)が、アメリカ環境保護庁(EPA)に再度提出した、クロロプレンモノマーの発がんリスクに関する毒性評価再考要請を10月19日付で却下するレターを公開したと発表した。
 
 同レターによると、2010 年に統合リスク情報システム(IRIS)に基づいて行われたクロロプレンモノマーの毒性評価は当時の厳格な第三者による査読を通じて体系化されたもので、EPA の情報品質ガイドラインにも沿った当時の最善の科学であるとしている。

 だが、DPEが最新の科学技術を織り込んだ見直しを図るべく、生理学的薬物速度論(PBPK)モデルの適用について EPA に相談した結果、EPA もこれを受け入れ、共同で新PBPK モデルの開発を行った経緯がある。

 新 PBPK モデルを用いた毒性評価結果は有力な科学雑誌「Inhalation Toxicology」に掲載され、EPAが 2010 年に行った同モノマーの毒性評価は過剰であると結論付けている。

 デンカは、ピッツバーグ大学が行ったクロロプレンモノマー関連従業員約7000人を対象にした疫学的調査結果や、ルイジアナ州の発がん率についてまとめたルイジアナ州腫瘍統計局の統計データなど、最新の科学的知見が毒性評価に用いられていないことを憂慮しており、引き続き正当性を訴えていく方針だ。なお、これによる DPE の事業および生産活動に対する影響はない。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1666923053.pdf