2022年11月10日 |
東大、腎臓病の診断に応用できる新たな尿検査法開発 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東京大学医学部附属病院の張田豊准教授らの研究グループは、小児腎臓病患者の尿を用いて、腎機能低下を早期に捉える新たなバイオマーカーを明らかにしたと発表した。 腎臓病の検診や診療には、古くから尿検査が用いられてきた。しかし既存の尿検査項目では早期発見が困難な疾患も多いことが課題とされてきた。本研究グループは、さまざまな臓器や細胞から放出される細胞外小胞の中でも、尿の中にみられる「尿中細胞外小胞(urinary Extracellular Vesicles:uEVs)」に着目し、粒子の形状や蛋白質の発現パターンなどを調べた。 その結果、uEVsの特徴を解析することにより尿から腎機能の低下を検出できることが示唆された。この結果を応用し、uEVsをバイオマーカーとする尿検査法を試行したところ、小児の腎機能低下の診断に有益な方法であることが明らかとなった。uEVsを用いる検査では、腎組織の変化を非侵襲的に直接捉えることが可能となるため、この検査方法を確立することは、早い段階の治療開始が望まれる小児の腎臓病に対する早期診断、予後の改善につながるものと期待される。 本研究成果は22年11月9日にCell Press発行の米国科学誌「iScience」オンライン版に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.h.u-tokyo.ac.jp/press/__icsFiles/afieldfile/2022/11/08/release_20221109.pdf |