2002年03月12日
大洋塩ビなど、中国向けPVCの輸出価格を4月も引き上げ
3月比70~90ドルアップを打ち出す
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:大洋塩ビ、東ソー

 大洋塩ビと姉妹会社のフリピン・PRIIの両社は、PVCの4月の中国向け輸出価格を3月比トン70~90ドル引き上げることにして同国の需要家各社に通告し、折衝を開始した。香港着のCFR600~620ドルを目指す。日本国内ならびに韓国や台湾のPVCメーカーも、おおむね同じレベルへの再引き上げを目標に近く交渉に乗り出すと見られる。
 
 日本や極東地域の塩ビメーカーによる中国向けPVCの価格は、3月分が2月比60ドル高の530ドルに引き上げられたばかり。続く4月分についても大洋塩ビなどサプライヤー各社の要求が通ると4ヵ月連続しての改善となる。最近のボトム(昨年12月)に比べ200ドル近い是正が実現する。
 この数年ではめずらしい急ピッチの改善となる。これには、中国の需要が引き続き旺盛なのに加えて、原料EDCの需給が全世界的に逼迫・高騰してきたことが大きく影響している。中国の需要家の間には、先行きのPVCとVCMの需給バランスに対する不安感が強く、先高観も一段と広まってきている。したがって、4月分についても輸出各社の希望が通る可能性が大きい。
 
 一方、VCMの4月の納入価格についても、東ソーなど日本のVCMメーカーが原料高騰分の転嫁と採算確保を目的に、再引き上げを目指していく。CFRトン440ドルが東ソーなどの目標価格。3月の納入価格に比べると70ドルの是正となる。