2022年11月28日
広島大「ツキノワグマ、冬眠期の筋肉の衰え省エネ防止」
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:広島大学

 広島大学 医学部の宮﨑充功准教授(生理機能情報科学)らのグループはこのほど、北海道大学、神奈川大学などと共同で、冬眠期のツキノワグマの筋肉を活動期の筋肉と比較したところ、冬眠期は絶食中でも筋肉は全く衰えず、骨格筋が省エネモードに入ることで筋肉の衰えを防止していることを発見したと発表した。
 
 筋肉内の有酸素系エネルギー代謝を制御するミトコンドリア関連制御因子の遺伝子の発現や、酵素の活性も、冬眠期の筋肉では顕著に抑制されていた。
 
 栄養素としての筋タンパク質の分解を抑えることにより「不活動でも衰えない筋肉」となることが明らかとなった。本研究成果は11月 16日付の米国オンライン科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

 これらの成果は、長期間の不活動・栄養不良を経験し、それでもなお筋肉や運動機能が衰えないという「冬眠動物の特徴を」説明するものであり、将来的にはヒトの寝たきり防止や効果的なリハビリテーション手法の開発につながると期待される。
 
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