2022年11月28日
三菱ガス化、天然ガス増進回収へCO2圧入法転用
【カテゴリー】:行政/団体
【関連企業・団体】:三菱ガス化学

 三菱ガス化学は28日、(独法)エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)公募事業「令和 4 年度操業現場技術支援事業」を受託したため、EGR(Enhanced Gas Recovery:天然ガスの増進回収)を目的とした既存構造性ガス坑井の CO2圧入井への転用検討スタディを開始したと発表した。スタディは11月に開始し、2023年1月まで行う予定。

 同検討は、東新潟油ガス田(新潟県)で同社が 100%権益を保有する深度で掘削した構造性ガス坑井 3 坑について、CO2 圧入井に転用するための健全性評価を国際基準に基づいて行い、その転用可否と技術的課題を明らかにするのが目的。
 
 転用可能となった場合は CO2の押し出し効果による天然ガスの増産だけでなく、CO2 を地下に固定するカーボンオフセットも期待でき、2050 年カーボンニュートラルに向けた温室効果ガスの削減施策のひとつである CCS(Carbon dioxide Capture and Storage :CO2の回収・貯留)と同様の効果が得られる。

 ここで得られた知見は JOGMEC を通じて広く共有される。
 わが国油ガス田の CO2-EGR/EOR(Enhanced Oil Recovery:原油の増進回収)の促進に寄与すると期待できる。
 
 同社は今後も自社で権益を保有する油ガス田を活用し、温室効果ガスの削減とエネルギー資源確保の両立に資する取り組みを進めいく方針だ。

(参考)
◆東新潟油ガス田は水溶性ガス田と構造性油ガス田からなり、前者は 1955 年に日本瓦斯化学工業(現 三菱ガス化学)が発見し、浅部の構造性ガス層と合わせて 100%権益を保有して操業している。後者は 1959 年に石油資源開発が参入し 1450m 層を発見、同層以深を当社との共同事業として操業している。

ニュースリリース
https://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1669615098.pdf