2022年12月07日
東北大、膜ポンプによる膜輸送機構で新概念提唱
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:東北大学

 東北大学多元物質科学研究所の稲葉謙次教授をはじめ理化学研究所、東京大学などの共同研究グループは7日、細胞中のカルシウムの恒常性維持に重要な、小胞体膜局在カルシウムポンプ「 SERCA2b 」について、3つの新たな反応中間状態を同定し、構造決定したと発表した。
 
 高分解能構造を、クライオ電子顕微鏡単粒子解析という技術を用いて決定した。
 これまでは一部の反応中間状態の構造しか決定されていなかった。

 詳細な構造解析の結果、「SERCA2b」の各反応中間状態には複数のコンフォメーションが存在し、それぞれが互いにオーバーラップさせながら反応中間状態の間を遷移するという新たなメカニズムを発見した。このメカニズムは「SERCA2b」に限らず、他の膜ポンプや酵素でも普遍的に働いている可能性が考えられる。
 同研究成果は12月6日に米国雑誌「Cell Reports」オンライン版に掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/2022/release_20221206.pdf