2022年12月08日 |
広島大、赤シソの高精度なゲノム配列情報 決定 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:広島大学 |
広島大学大学院 統合生命科学研究科の坊農秀雅特任教授らの研究グループはこのほど、国立遺伝学研究所、広島県立総合技術研究所、三島食品(広島市)、プラチナバイオ(東広島市)などと共同で、国内栽培された赤シソの高精度なゲノム配列情報を決定したと発表した。 「赤シソ」は日本では身近な食材。研究グループは今回、最新の DNA 解析技術を駆使することにより、全ゲノム(約12億6000万塩基対)の約99%を染色体レベルの巨大な配列でカバーする高精度なゲノム配列情報を決定した。解読した赤シソゲノムには、合計 86,258 の遺伝子領域が同定された。 研究グループは、三島食品が育種してきた赤シソ品種「豊香 3号」からゲノム DNAを抽出し、これまでドレードオフの関係にあった配列の「長さ」と「精度」の両立を実現した最新の DNA 配列解析技術を用いて、赤シソゲノムの配列断片を取得した。 この配列断片を、ソフトウェアを使って連続した領域を連結し、20 本の染色体に対応する巨大な配列にまとめた。この巨大配列は、ギャップと呼ばれる未決定領域が1本あたり4か所以内と極めて少なく、うち7本はギャップのない完全な配列として得られた。今後は赤シソのさらなる高機能化や栽培特性の改良に向けた研究開発の加速が期待される。同研究成果は22年11月16日に「 DNA Research 」誌に掲載された。 |