2002年03月11日
米国デュポン、超臨界CO2技術による初のふっ素樹脂を商業化
通信ケーブル、半導体、自動車産業向けに生産予定
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:デュポン

 三井・デュポン フロロケミカル、デュポンの両社は11日、米国デュポン社フロロプロダクツ事業部が、超臨界CO2技術を利用した画期的な新製造技術によるテフロンふっ素樹脂の商業化に初めて成功したと発表した。

 新しい製造技術は、従来の水ベース重合を超臨界二酸化炭素(CO2)ベースのプロセスに置き換えて製造するもので、テフロン製品の製造にあたり、物性や成型性の向上だけでなく、廃棄物の削減など環境問題への対応も同時に達成した。

 商業化生産に成功したのは、ノースカロライナ州にあるデュポン社ファイアットビル工場内に、4千万ドルの新規設備投資によって2000年末に稼動したプラント。製造技術は、デュポン社とノースカロライナ大学‐チャペルヒルの科学者陣が共同開発した。

 新プロセスは、品質要求の厳しい熱溶融性ふっ素樹脂用途、例えば電線やケーブル向け絶縁材やジャケット、フレキシブルチューブ、工業用フィルム用テフロンRFEP樹脂の製造に適用される。同プロセスは他の熱溶融性ふっ素樹脂、例えば半導体システム用途にも適用可能。このため同社は通信ケーブル、自動車、その他産業向けに生産していく。

 なお三井・デュポン フロロケミカルは、今後日本でも新製造技術の導入を視野に入れていく考えだという。