2022年12月15日 |
東大など、冠動脈疾患の遺伝的リスク解明 |
【カテゴリー】:ファインケミカル 【関連企業・団体】:東京大学 |
東北大学多元物質科学研究所の稲葉謙次教授、理化学研究所計算科学研究センターの杉田有治主任研究員、東京大学大学院医学系研究科の吉川雅英教授らの共同研究グループはこのほど、100万人以上のサンプルを用いて「冠動脈疾患(CAD)」のゲノムワイド関連解析(GWAS)を行い、CADに関わる病態を体系的に明らかにしたと発表した。 同研究成果は、CADの背景にある遺伝的基盤の包括的な理解に役立つだけでなく、ゲノム情報に基づくCADの精密医療実現に貢献すると期待できる。 研究グループは今回、CADの遺伝的基盤解明のため、ヨーロッパ人、日本人症例100万人以上を対象にGWASを実施し、疾患感受性座位を新たに同定した。これらの座位を統合的に解析し、CAD発症機序への初期発生プロセス、細胞周期シグナル、血管細胞の移動と増殖の関与を明らかにした。 また、新規同定座位の一つがMYO9B遺伝子のエンハンサー活性の変化を通じて血管細胞の運動性を調節し、CADリスクを媒介することを実験で示した。これらの解析により、250以上のCADの疾患感受性座位が同定され、系統的に特徴付けられた。 同研究成果は、科学雑誌「 Nature Genetics 」オンライン版(12月6日付)に掲載された。 ニュースリリース参照 https://www.m.u-tokyo.ac.jp/news/PR/2022/release_20221206.pdf |