2022年12月26日
京大、不快感を誘発するセロトニン神経を発見
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:京都大学

 京都大学大学院 薬学研究科の金子周司教授らの研究グループは23日、正中縫線核に存在するセロトニン神経が、従来知られてきた抗うつ効果を担うセロトニン神経の機能とは反対に、不快情動をもたらすセロトニン神経であることを明らかにしたと発表した。

 快感や不快感といった感情は、生物が生きていく上で必要不可欠だが、これまでその不快情動をもたらすセロトニン神経の脳内のはたらきについての詳細は不明だった。

 研究グループは、正中縫線核セロトニン神経は不快な刺激によって活動が上昇し、報酬によって活動が低下す
ることを明らかにした。さらに、光で神経活動を制御できるマウスを使って、脚間核に投射するセロトニン神経が 5-HT2A 受容体を刺激することが不快情動の生成に重要であることを明らかにした。

 この研究結果は、今後セロトニン神経の制御を通じた抗うつ薬の開発につながると期待される。
本成果は22年12月22日日に英国の国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載された。

ニュースリリース参照
https://www.hokudai.ac.jp/news/pdf/221223_pr2.pdf