2023年01月06日 |
京大、単純分子から有用物質を短工程で製造可能に |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:京都大学 |
京都大学理学部 理学研究科の依光英樹教授らの研究グループはこのほど、アルキンの三重結合に金属を結合させる新手法を開発し、入手が困難だった有用有機金属化合物を簡便に調製することに成功したと発表した。 炭素原子と金属原子の間に結合を持つ有機金属化合物は、医農薬や機能性有機材料を製造する上で極めて重要な中間体であり、現代社会を縁の下で支えている。 天然には存在しない有機金属化合物を調製するには、有機ハロゲン化物を還元(電子を注入)する方法が一般的だ。しかし、この手法では調製できない有機金属化合物が数多く存在する。そこで、研究グループは、炭素―炭素三重結合に電子を注入する独自の手法により、入手が容易なアルキンを原料として2本の炭素―金属結合を一挙に構築し、従来法では調製が困難な二重金属化アルケンを容易に調製することに成功した。 さらに、この新規有機金属化合物が斬新かつ有用な化学反応を起こすことも明らかにし、中間体としての有用性を明確にした。同研究成果により、有用物質の合成効率の飛躍的な向上が見込めるとともに、持続可能な物質生産プロセス構築への大きな波及効果が期待できる。 同研究成果は、2023年1月3日に国際学術誌「Nature Synthesis」にオンライン掲載された。 ニュースリリース https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2023-01-04 |