2023年01月12日 |
産総研、1662年日向灘地震の新たな断層モデル構築 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:産業技術総合研究所 |
京都大学防災研究所 宮崎観測所の山下裕亮助教、産総研地質調査総合センター伊尾木圭衣主任研究員らの研究グループは11日、浅部スロー地震の海底地震観測の成果や人工地震波を用いたプレート境界の位置情報などの知見を基に、日向灘で過去最大級とされている1662年日向灘地震の新たな断層モデルを構築したと発表した。地球物理学と地質学の検証に基づく初の成果としている。 宮崎県沿岸部における津波堆積物の調査結果と、断層モデルを用いた津波による浸水シミュレーションにより、この断層モデルを評価した。1662年に発生した日向灘地震が、M(マグニチュード) 7.9の巨大地震であった可能性を科学的に初めて示した。 今回の成果はゆっくり地震のうち、浅部超低周波地震と浅部スロースリップが共通のプレート境界断層滑りによって発生していることを明らかにした。この成果によって、ゆっくり地震の発生メカニズムの統一的な理解につながると期待される。 また、浅部超低周波地震は南海トラフ軸に沿って、紀伊半島沖だけでなく室戸沖、日向灘、琉球海溝までの広い範囲で発生することが知られている。そのため、今回研究で明らかとなった浅部超低周波地震とプレート境界での浅部スロースリップの関係は、南海トラフ浅部において広い範囲で浅部スロースリップが繰り返し起きていることを示唆している。 今回研究の成果の一部は、国際学術誌「Pure and Applied Geophysics (PAGEOPH)」(2022年12月15日付)に掲載された。 (詳細) https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2023/pr20230111/pr20230111.html |